櫻井よしこ論 2004.11.28 |
(1)小泉訪朝 (2)小泉再訪朝 (3)小泉再訪朝を評価する (4)櫻井よしこ論 (5)北朝鮮への経済制裁 (6)敵の意図は、敵しか知らない (附録1) 2004.12.25「産経抄」について (附録2) 平成17年小泉総理年頭記者会見より |
1.「週刊朝日」における発言 週刊朝日2004年12月3日号に櫻井よしこ氏の発言が載っています。タイトルは、 本論に入る前に私のこれまでの櫻井さんに対する印象を書きましょう。勿論、顔も名前も知っていました。しかしテレビ・キャスター時代も、彼女の番組をよく見た訳でありません。薬害エイズ問題では、私自身ひどい事件だと思うので、被害者側で活動する彼女を好ましく思っていました。といって、彼女の発言を詳細に見ていた訳ではありません。 最初に違和感を持ったのは、「住基ネット」に対する激しい反対発言でした。私は住基ネットを必用・有効なものと思っていますので、これは完全に彼女と意見は違いました。しかしそれは「意見の違い」で、彼女を(私の基準からすれば)愚かとおもっただけで、私が間違っているかも知れず、だから変だとは思いませんでした。(この件については後で記します。) 彼女をイヤになったのは北朝鮮拉致被害者の集会(「家族会」「救う会」主催、2004.4.30日比谷野外音楽堂)における司会にあります。勿論、被害者たちがそれをよしとし櫻井さんを起用しているのですからとやかくは言いませんが、私には「合い」ません。私なりの「救う会・家族会」への支援は続けますが、二度と集会へ行こうとは思いません。 櫻井さんのは「司会」でなく「アジ演説」です。外務省、小泉総理をこきおろし、会場に「そうじゃありませんか?」「皆さん、どう思いますか?」とあおる。 会衆は「そうだ!」と叫ぶ。私はそのような雰囲気の会合をキライなのです。「司会」というのは自分が演説するのでなく、淡々とした進行役であるべきでしょう。私は彼女の小泉さん・外務省への評価は、不公正なものであると思います。この件についてもあとで検討するとして、彼女の「 週刊朝日」発言を検討してみます。 人の発言を批判するときに言葉の一部を対象とするのはフェアでないでしょう。著作権の問題がどうなるのか分かりませんがそう長いものでもありませんので、櫻井氏発言のほぼ全体を引用します。
『なぜ経済制裁を実行しないのか。理由は推測するしかありませんが、私は小泉首相の「名誉欲」が問題なのだろうと考えています。2回目の日朝首脳会談のあと、小泉首相は「任期中に国交正常化を」と述べました(*1)。自分の名前を歴史に残したいという思いがあるのでしょう。実務者協議の結果を見た後でも、なお「北朝鮮の努力のあとはうかがえる」(*2)と言っていますから。
櫻井さんは、北朝鮮との国交正常化が「自分の名前を歴史に残す名誉」であると考えているようです。そんな風に思う日本国民は少ないと思いますが。 (*1) 2回目の日朝首脳会談のあと、小泉首相は「任期中に国交正常化を」と述べました。 小泉さんはどこでそのように述べていますか? >>「私が今回2度目の訪朝をした最大の理由は、両国にとって日朝平壌宣言、2年近く前、9月17日、共同宣言を発出いたしましたけれども、この日朝平壌宣言を誠実に履行することが極めて重要である、このことを金正日国防委員長と再確認するため、それが最大の理由です」<< と延べ、 >>「今回の私の訪朝が、日朝国交正常化実現への転機となることを、これからも強く期待していきたいと思っております。以上でございます」<< と締めくくっています。 >>「まだ国交正常化妥結の時期については明言は出来ませんが、正常化への努力は続けていかなければならない。そして今回、日朝平壌宣言の重要性を再認識したこと、お互いの信頼を醸成出来るような環境を整えていくことに同意をみたこと、そういう点、全体的に見て、私の今回2度目の訪朝は意義あるものだったと私は思っております」<< 念のため読売新聞2004.05.23で拾うと、 首相 >>まだ、国交正常化妥結の時期については明言は出来ないが、正常化への努力は続けていかなければならない。そして、今回、日朝平壌宣言の重要性を再認識したと、お互いの信頼を醸成出来るような環境を整えていくことに合意をみたこと、そういう点を全体的にみて、今回の訪朝は意義あるものだった。<<
櫻井さん、小泉総理はどこで「任期中に国交正常化を」と述べていますか? >>「第1に、日本は正常化交渉に真剣に取り組む用意があると。しかし、正常化を進めるためには、拉致問題を始め安全保障上の問題など諸懸案に、北朝鮮側が誠意を持って取り組むことが必要である」<< と述べています。又、 >>「今回、金正日委員長は関連するすべての国際的合意を遵守することを明確にしました。重要なことは、北朝鮮がこの約束を行動に移すことであります」<< 2004.07.21の日韓首脳会談後記者会見では、 これらの発言のどこからも「任期中に国交正常化を」などと発言していないことは、日本語を素直に理解できる人なら分かるはずであります。「時期にはこだわらない」と言っているのです。そして実は、小泉総理が「国交正常化」の前提条件としているものは、北朝鮮・金正日が、絶対に呑めぬものです。なぜなら、呑めば金正日体制が崩壊するからです。小泉さんには金正日政権との間で「国交正常化」をする気がない、と理解するのが正しいと思います。事実、絶対にないでしょう。小泉さんが突きつけているのは、金正日の呑めない前提条件です。 *2) 「北朝鮮の努力のあとはうかがえる」と言っていますから。 これは私のオリジナルな意見ではありませんが成程と同感したので流用します(流用元「小泉総理は運が強すぎる」)。それは言葉として、「努力のあとはうかがえる」と言うのは、ほめ言葉か、ということです。何かの作業の評価として、「努力のあとはうかがえる」と自分が言われた場面を考えればいいでしょう。これによらず小泉さんの発言は常に仕掛けがあるのです。先入観、好悪の感情から入ると、理解できないだけでなく後で恥をかくことになります。 (*3) 政府は国交正常化交渉に入っても、最初に取り上げるのは拉致問題であると強調していますが、
前述の通り小泉総理は一貫して、「拉致問題、核問題、ミサイル問題を総合的、包括的に解決された際に、正常化がなされるということである」と語っています。最近の岡田民主党党首との「党首討論」(2004.11.17)でも、何度も繰り返して説明しています。
『制裁を発動したとき、中国からは「そこまでやらなくても」といった批判が出るかもしれません。中国の抱える背景は複雑です。現在の国際社会の構図は、イラク問題で手いっぱいの米国に対し、中国が北朝鮮をおさえて、いわば米国に「貸し」を作った形になっている。中国とすれば、日本の動きでその構図が崩れることは喜ばないでしょう。しかし経済制裁は日本が自国民を救うために行うのですから、大枠では攻撃できないと思います。 引用しながらイヤになります。櫻井さんがどう思おうと勝手ですが、「しれません」「でしょう」「思います」で他国への経済制裁を発動せよというのですか。北朝鮮はそれを、「宣戦布告とみなす」と言っています。
『残念ながら北朝鮮は、対話が通用する相手ではありません。これまでの行動パターンからも、それは明らかです。1990年に北朝鮮からのアプローチによって「金丸訪朝団」が「3党共同宣言」を締結しましたが、あのときはソ連が支援をやめてしまったため、日本から支援を引き出そうとした。いわば旧ソ連の圧力に対応した構図です。今回の日朝首脳会談への流れは、米国の圧力で作られました。2002年1月にブッシュ大統領が一般教書演説で「悪の枢軸」と名指ししたため追い詰められたのです。 日本の経済制裁を、どの程度の効果あるものと櫻井さんはイメージしているのでしょうか。上の言葉からすれば金正日が「身の破滅」を感じない範囲と思われます。なぜならテポドンを撃てば自分が破滅する、だから撃たないとは、経済制裁によっては金正日が破滅を感じないことになります。撃とうが撃つまいが同じ破滅なら、撃たないと想定する確率はうんと下がるからです。同じ破滅なら持っている武器を使いたくなるのが、むしろ自然です。だから櫻井さんの「制裁」は、金正日を破滅させるほどのものではないのでしょう。しかしそれは「制裁」と言えるものですか? ちょっと「意地悪」する程度のものではないですか?(私自身はそもそも効果のある経済制裁などできないと思いますが) あとでふれますが不思議なのは櫻井さんが、北朝鮮への不正送金、マネーロンダリング等の監視、即ち実効的経済制裁に最も有効な(ほとんど必須と思える)「国民背番号制」「住基ネット」「個人情報保護法」に対する猛烈な反対者であることです。こうしたものの整備によって誰が、どのような種類の人が不利益を蒙るのか。金正日は明らかに不便を感じると思います。→例えば、 『金正日体制が倒れ、拉致被害者が帰国し、抑圧された北朝鮮の人たちも解放されるというのが最も望まれることです。制裁発動で重要なのは、心理的効果が大きいことです。漫画の世界のような話ですが、金正日や高官に高級食材を供給しているという万景峰号を入港させないというだけでも、それは期待できます。向こうに親戚のある在日の方の気持ちもわかりますが、資金や物資が流れる仕組みを断つという意味から、一定の規制は理解していただきたい。』 「残念ながら北朝鮮は、対話が通用する相手ではありません」、その相手に「心理的効果」を期待できるのでしょうか。私は期待できないと思いますが、櫻井さんは期待できるようです。私は金正日を、そんなヤワな男と思いません。
『そうした対応を確立できれば、影響を受ける北朝鮮幹部に、何らかの動きが出る可能性があります。黄長Y元朝鮮労働党書記が97年に亡命したのに加え、最近では呉克烈作戦部長の長男が亡命したとの情報もありました。金正日の政権維持能力はそれだけ落ちているということでしょう。
このような「可能性」「思います」「だそうです」「ありえます」「期待できます」「はずです」で、小泉総理・外務省をボロクソにいい、高価な(でしょう)発言料を得るのだから、ジャーナリストとはうらやましい仕事です。
櫻井さんが住基ネットに反対するのは「個人情報の漏洩」(ストーカー国家)への危惧のようですが、それをいうなら、「情報の漏洩は如何なる手段を持ってしてもゼロにできない」と私は思います。その上でなおメリットがあるか、マイナスが大きいかの検討でしょう。私は圧倒的にメリットが大きいと思います。 1.
銀行:口座開設時に出す個人情報。送金額及び相手。入金額及び相手。 医療情報を入れたICカードもあるでしょう。あれば緊急時の対応が早く正確になるでしょうが、多くの 個人情報がそこに入っています。その情報によって救われる命があるでしょう。その他、きりがありません。住基ネットを入れようと入れまいと、私たちはすでに「丸裸」なのです。 狙う側は、住基ネット情報程度はとっくに入手済みに違いありません。 私たちは、「セキュリティーとプライバシーは相反する」ということを、きっちりと認識しなければなりません。飛行機搭乗に際して私たちは所持品すべての点検を受け入れます。指紋や瞳孔情報の採取も、こらから一般的になっていくでしょう。銀行カードは不正使用防止のため掌紋参照のものが出ました。これから一般的になるでしょう。子供や老人にために居場所を発信させる携帯端末が売られています。これは明らかに「監視装置」です。日常動静の変化を知るため、発信器つきの給湯器などというものも販売されています。給湯が途絶えたら、異変ではないかと遠隔地で知るのです。私たちはプライバシーを知らしめることによって、セキュリティーを得ているのです。私は指紋押捺を全国民・住民(日本在住外国人も)必須にすべきと思います。
櫻井さんも力を入れている「北朝鮮による拉致」事件についていえば、「辛光洙事件」のようなものは避けられたのです。原敕晁(はらただあき)さんという何の罪もない日本人が忽然と消え、辛光洙が原さんに成り代わって日韓を行き来、工作活動を続けました。大韓航空機爆破事件も違ったものになったでしょう。櫻井さんが守ろうとしている利益は、あるいは恐れる損失は、主にどのような種類の人々に大きいのか、考察する必用があります。少なくとも私は、四情報を知られて何の痛痒も感じません。 産経新聞2004.11.04付、「ゴーンさんのリーダーシップ探検」というシンポ記事に櫻井さんの言葉が載っています。以下、引用です。
『日本には非常に優秀な人材がそろっています。しかし、その人材が機能していないのです。まるでかつての日産と同じです。では、日産がよみがえったのはなぜか。それは新しいリーダーのもと、目指すべきものが明らかになったことが大きいのです。
櫻井さんは小泉総理がお嫌いのようですから、それはそれでいいのです。しかしなぜこの文脈の中で突然小泉総理が出るのでしょうか。ゴーンさんに比較して「貧しい」と。 「諸君」2004.12号に、「許すまじ! 外務省の“拉致は二の次”」という討論記事があります。横田早紀江さん、救う会副会長の島田洋一氏、櫻井よしこさんです。一部を切り抜きます。 島田 「そのくせ、小泉首相はブラジルを訪問した時は、日系人の歓迎を受け、感涙にむせんだり、特攻隊員の遺書を見ては涙を流し靖国参拝をしたりはするんですが、所詮これらはパフォーマンスでしかない。出稼ぎ移民の方々からも特攻隊員の遺族からも特に難しいことを要求される心配もない。安心して泣いておればよい。ところが、横田さんたちを前にしてそんな態度を示し、へたに期待感を高めると現実の政治課題に関して、何らかの責任なり対応を取ることを余儀なくされますからね。それは嫌だから、現在進行形の北朝鮮に拉致された被害者に対しては決して感情移入はしない。距離を置こうとする姿勢が顕著です。家族があきらめてくれれば楽になるのにな、と思っているんでしょう。・・(中略)・・一方、金正日とは親しげに握手して恥じない。どこか感覚がおかしいですね。」
こんな「感覚のおかしい」人を副会長において、本当にいいんですか? 横田さん。 櫻井さんの応答。「小泉さんは相当な変人ですからね。夫人が身ごもっている時に離婚してのち生まれた三男ともまだ一度も会っていなくても平気な人ですから、他人の子供の拉致にも感情移入することができないんでしょうか。」
こんなことに触れること自体が品のないことと思いますが、それはさておき、「妊娠したときに別れて三男と一度も会わない」ことがどうして「冷たい」という結論になるのか。多少とも人の心の襞・陰翳を知ったなら、そんな断定はできない。「妊娠したときに別れて三男と一度も会わない」ことが、激しい恋慕・未練の断ち切りなのかも知れない。分からない。そんなことは、分からないんです。ちゃんとしたジャーナリストの触れることではない、赤新聞の領域です。 ジェンキンス氏がジャカルタ滞在中「参院選」の結果小泉が失脚するのではないかと思い、不安で酒をあおった、という情報がありました(ジェンキンス泥酔事件)。米軍事法廷のあと小泉総理を含めた日本側担当者への感謝の談話を出したそうです。妻はテレビで見たといいますが新聞では報じられません 。再放映もされません。どうしてですかね? 帰ってきた拉致被害者・その家族が、小泉さん、外務省担当者に感謝していないはずはないのです。しかし多くの残された日本人がいる以上、大っぴらに喜べないのも当然の心遣いでしょう。その辺りをメディアも櫻井さんも、完全に無視しています。小泉さんへの悪口を続けるのはいい。しかし国民はおそらく横田滋・早紀江ご夫妻の見事な姿に免じて、言いたい放題を許しているのです。 でも、あまり調子に乗ると白けるかも知れませんよ。 =終り= |
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追加1-2004.12.01
2004.12.01に匿名の方から上の小文に対する批判メールを頂きました。(匿名であること以外は礼儀正しい文章でした)。私はその方に、“メール、ありがとうございました。私は匿名の方と議論をしたいと思いませんので、もしも頂いた全文をアップすることを許されますなら、「エッセイ」の追加として検討文を付け加えさせて頂きます。”
と返信したのですが、気分が落ち着きませんので、とりあえず要点のみ、私の見解を述べさせて頂きます。 私が問題にしているのは櫻井さんが小泉さんの発言を「曲解」して伝えているのではないか、という点です。「推測」を問題にはしていません。(おそらく、推測皆無の文章などあり得ません)。
1.2回目の日朝首脳会談のあと、小泉首相は「任期中に国交正常化を」と述べました。
この櫻井さんの発言に対して、小泉さんや政府がそんなことを言ったと聞いたことがないですから、私は「言っていない」証拠資料を出した訳です。推測ではありません。公式の記録です。だから、 >>先日の実務者協議後にも、散々な結果であったにも関わらず「経済制裁はしない」と即座に発言されています。<<
小泉さんは正式の経済制裁は発動しないと思います。
アメリカがキューバを「経済封鎖」して40数年、キューバは参りましたか?
アメリカの懐の中、海上封鎖もできる島国のキューバでも生きながらえています。北朝鮮は日本の手の及ばぬ韓国、中国、ロシアに陸上で接しています。いざとなれば韓国は必ず北朝鮮の味方をします。中韓とも日本が失敗し、恥をかき、疲弊することを狙うでしょう。
(中韓が北朝鮮を助けず知らんぷりをする可能性も勿論あるでしょう。私はないと思いますが、あると考えることもそれ自体を間違いとは思いません。しかし「中韓が北朝鮮を助けず知らんぷり」することを前提の経済制裁は、明らかに間違いです。)
私は「経済制裁論者」から具体論が一向に出てこないのが不思議です。日本も大きな傷を負うこと、それに辛抱できるかということ、そこらの具体論がありません。 日本の意志は小泉総理の記者会見、国会答弁等できわめて明快であると思いますが、・・・・
>>首相の言うことは、日本にいる日本人なら分かる感覚かもしれません。しかし他の国では受け入れられない。 私が申し上げたかった小泉さんの言葉の仕掛けは、日本人が一番分かっていないのではないかと思うのです、あまりに素直すぎて。私は「逆説」で使いました。小泉さんの発言は、今までの政治家に比して本当に素直です。素直に受けとめないのが日本のジャーナリストです。ひょっとすると金正日が一番の理解者かも知れません。外国人にも分かりやすいと思います。(小泉さんの談話、国会議事等を、読んでみて下さい。) >>私は野村さんが「小泉さんには金正日政権との間で「国交正常化」をする気がない、と理解するのが正しいと思います。事実、絶対にないでしょう」と何故断言できるのか理解できません。今の小泉首相を見て、どのような場面でそのような核心(確信?)に至ったのでしょうか? 結局推測にすぎませんよね、櫻井さんと同じ。<<
推測ですが、推測の根拠は記してあります。
櫻井さんは小泉さんが、北朝鮮と、
>>感想のみ書こうと思ったところ、思いの外言いたい放題のメールになってしまい、大変失礼致しました。御気分を損ねるものであったこと、予めお詫び申し上げます。 とんでもないです。ちゃんとした文章による批判は、好きです。私自身、色んな見方・考え方を知りたいですから。
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追加2-2004.12.08 小泉総理について次のように述べたとCNNは伝えています。 "Most importantly, I am
thankful to Prime Minister Koizumi," 2004.12.08
17:30 小泉さんには「日朝国交正常化」の積もりは最初からなかった、という私の結論は、上に記しました。結局、日本国内のみならず金正日も釣られたのです、正に毛バリで。櫻井よしこさんのように小泉総理が日朝国交正常化を急いでいるという観点からでは、小泉さんの言動が理解できません。その気がない、しかしその気がないと気付かせてはならない、それが小泉さんのやっていることです。彼は冒険を避け、慎重にねばり強く、一人でも多くの拉致被害者を救出しようとしているのです。その観点からみると、今回のニセ遺骨というふざけた事実をみて、小泉さんはどのように語るでしょうか。周辺では北朝鮮への経済制裁の声が沸騰するでしょう。
1.きわめて「生ぬるい」と思える対応をする、と思います。 追加3-2004.12.09
小泉総理の対応はほぼ私の予測通りでした。この件はあとにして、今回のめぐみさんニセ遺骨(松木さんのも併せて)については、北朝鮮の意図が私にはまったく分かりません。日本の鑑定能力については、前回の松木薫さんニセ遺骨で認識しているはずです。今回は明らかに「ニセ」であることが分かることを前提にやっています。念を入れるように二種類入れています。「ニセモノだよ」と告げているような仕業です。こっちにはサッパリ
訳が分からないが、やつらははっきりした「意図」を持っていると感じます。何でしょうね。???? 追加4-2004.12.10 北朝鮮・金正日体制を攻撃することに、私は反対でありません。ぶっ倒してやりたいと思います。問題はいわゆる「経済制裁」が目的に対して有効な手段かということです。 1.経済制裁の目的→ 拉致被害者の奪回、ということでしょう。ならば、 2.経済制裁にどのような方法があるか。→それは北朝鮮にどのような打撃を与えるか。その打撃のどの時点で北朝鮮は参るか。静かに参るか。反撃はないか。 3.反撃がないとするなら、その根拠。 4.反撃の可能性があるなら、→どのような反撃があり得るか。それにどのような対処をするか。 5.中国、韓国は、どのような立場をとるか。 6.何よりも国内世論が一致し続けるか。→私にはとても信じられません。 今回の北朝鮮のやりかたを、「日本人を騙そうとした」という観点で捉えると、まちがうと思います。奴等は「騙そう」などとしていない。騙すなら二人分四人分という骨の入れ方が理解できない。明らかに「ニセモノだよ」と告げているのです。 「挑発」なのです。日本に、経済制裁をやるならやれ、と煽っているのです。つまり彼らにはそれに対応できる裏付けがあるのです。中・韓のバックアップのみならず、日本の闇ルートもあるでしょう。小出しに 脅すことができる政治家・教育者・宗教家・言論人のスキャンダルを握っているでしょう。日本を中韓から更に遠ざけ、制裁に屈服しないことによってハジをかかせ、国論を分裂・ガタガタにしようとしているのです。
何故か。彼らがようやく、小泉の真意を知ったのです。「小泉の語る国交正常化は“毛バリ”である」と。 「経済制裁せよ」との声を、私は悪いことと思いません。それはバックグラウンド・ミュージックとして有効でしょう。しかし、小泉は動かないでしょう。「孤高」。小泉純一郎を、私は凄い政治家と思います。 |