2006/05/26記


第一出版社
柯蔡阿李夫人訪問記(五)

5月5日、第一出版社に柯蔡阿李夫人を訪ねました。
見せて頂いたアルバムには、『台湾監獄島』にも載せられているご結婚当時の写真がありました。


柯先生は凛々しく、阿李夫人は大きな瞳の美しい方ですね。
1955年3月29日、定婚当時とあります。(定婚とは婚約の意味と思います)

1955年12月、新婚旅行(台北にて)

この写真を私が「すばらしい」と言いましたら、阿李夫人も嬉しそうな顔をなさいました。 「主人も、この写真を一番気に入っていました」とおっしゃいました。

『台湾監獄島』第三版(非売品)にある柯先生ご本人、並びに奥様作成の年表によりますと、

1929年 左営に生まれる。
1945年 日本敗戦、国民党の台湾上陸始まる。
1947年 228事件勃発、数万人の台湾人が虐殺される。
1949年 5月、国民党政府、戒厳令を敷く。
 10月、中華人民共和国成立。
1951年 7月31日、左営にて逮捕される。(「第一次入獄」)
  9月、日本がサンフランシスコ講和条約に調印、台湾に対する領有権を放棄。
1952年 4月、無罪感訓の裁定で、緑島(火焼島=監獄島)へ送られる。
1953年 4月、火焼島より釈放される。(「第一次入獄」終了、1年8カ月)
1955年 12月、蔡阿李と結婚
1960年  「新英文法」を著し、ベストセラーとなる。
1961年10月4日 反乱罪で高雄にて逮捕され、台北の警備総司令部保安處へ。(「第二次入獄」)
1963年9月  12年の判決を受ける
1972年4月  緑島(火燒島)感訓監獄へ送られる
1973年10月4日 刑期満了にもかかわらず釈放されず、引きつづき緑島指揮部の「新生感訓隊」(期間未定=無期刑)へ送られる。刑期満了して引き続き無期刑囚となる。
1976年6月19日 緑島より釈放。(「第二次入獄」終了。14年8カ月)
1987年 国民党、戒厳令を解除

蔡阿李夫人の言葉。
「この時、たった40何歳で、こんなに老けているの。牢屋の中でね。そしてね、帰ってきたときとった写真ね、これより若く見える。牢屋というところは恐ろしいところ。牢屋にいたとき、15年間も牢屋にいたでしょう、そのかん全然写真とってもらえなかった。この写真、14年目にはじめて送ってきた写真、そしてこの写真見たとき、・・・私、泣いたねえ。こんなにおじいちゃんになったのかと、悲しかったですよ。」

=続きます=

[固定アドレス]
[Home]