2015年9月5日 (付記9月16日)
安保法制-今朝の朝日新聞社説


バンドン会議についてもう一度だけ書きたいと思っているのですが、今朝は「安保法案」について朝日新聞の社説を対象に考えてみたいと思います。

その前に私自身の体験ですが、私は三度、「安保法制反対」のチラシ配りに遭いました。二回は勤務先最寄のJR浜松町でした。8月7日は確かですが、もう一度は21日、共に金曜日であったと思います。あとの一回は自宅最寄駅で、これは7月だったと思います。

私は興味があるので、立ち止まって眺めました。(と言っても2,3分)
私が見た範囲では、チラシを受け取る人はほとんどいませんでした。皆無、と言っていいでしょう。静かなものでした。

8月30日の国会周辺デモは大変な盛り上がりを見せたようです。

集会は30日午後2時ごろから国会周辺で開かれ、主催者の発表でおよそ12万人、警視庁の調べで3万人余りが集まり、これまでで最も規模の大きなものとなりました。(NHKテレビ 8/30 18:43)

瀬戸内寂聴氏は「しんぶん赤旗」日曜版で、「国民が燃え上がった」と語っています。私の周辺ではまったく燃え上がっていませんが。
私のまわりに「国民」はいないのでしょうか?


ところで今朝の朝日新聞社説に、興味ある文言がありますので、それを検討してみます。自分に興味のある部分のみ恣意的に取り上げますので、皆様は全文 をご参照下さい。

中国国防省は、軍の方針について「完全に防御が目的」「永遠に覇権を求めず、永遠に拡張しない」と説明し、平和への貢献を強調している。
だが、軍事パレードによる力の誇示と、力任せの海洋進出を見るにつけ、説得力を欠く。

これは中国が公開した軍事力を、「防衛が目的と言っているけれど、信用できない」という意味ではないですか? 他の解釈はありますか?

30万人の兵力削減は、主に陸軍で行われるとみられる。今年発表された国防白書は「陸軍を重んじ、海軍を軽んじる伝統的な考え方を打ち破る」と明記した。80年代から続く中国軍の発展過程に沿うものでもある。

パレードに登場した各種兵器からも、その方向性は明確だ。

短距離から北米大陸に届く長距離まで、射程が各種そろったミサイル群が披露された。中国初の空母「遼寧」の艦載機が編隊を組んで天安門上空を飛ぶ。航続距離5千キロを超す早期警戒機も姿を見せた。

中国は核ミサイルを着々と増やし、宇宙空間での攻撃テストも行った。軍事力の実態は相変わらず不透明だが、防御目的を超えているのは明らかだ。


朝日新聞は新しい「安保法制」の成立を阻止しようとする先鋒ですが、中国の軍備について、「防御目的を超えている」とは認識しているのです。「防衛目的を超え」た軍備とは、何でしょうか? 「軍事パレード]によって力を誇示し、(他国を威嚇し)、「力任せの海洋進出」を行っている、と朝日新聞は認識しています。日本も現実に「尖閣諸島」が狙われています。「短距離から北米大陸に届く長距離まで、射程が各種そろったミサイル群」は、当たり前に日本は標的内です。「短距離から」という漠然とした言葉でなく、「日本は勿論、北米大陸に届く」と書くべきです。何故「日本」を入れないのですか? 日本の問題でないのですか?

現在国会で審議中の新しい安保法制案に、反対するのは自由です。しかし、ならばどうすれば良いのか。

防御目的を超えた軍備を誇示し、力任せの海洋進出(侵略)を行っている中国に、現実に尖閣諸島で対峙する我が国が、どうすれば良いのか。それを語らなければならないでしょう。

社説においてこのようなまともな基本認識をしながら、現状維持を主張する朝日新聞、(対案を出さないのは現状維持でしょう)、同サイドの毎日、中日、野党のほとんど、アタマの中がどうなっているのか、開いて覗いてみたいものです。


(付記)
2015.09.16

昨日(9/15)の産経新聞に、
『本社・FNN世論調査 安保反対集会「参加」 共産など4党支持者73% 特定政党に集中』
という記事があります。
「国会周辺など各地で行われている安全保障関連法案に反対する集会に参加した経験がある人は3・4%にとどまった。」
参加者の中では、
「共産、社民、民主、生活各党など廃案を訴える政党の支持者が7割を超えた。」
「集会への参加経験者の41・1%は共産支持者で、14・7%が社民、11・7%が民主、5・8%が生活支持層で、参加者の73・5%が4党の支持層だった。」
「集会に参加したことがない人は96・6%で、このうち今後参加したい人は18・3%、参加したいと思わない人は79・3%だった。」

これは、上の本文に書いた私の体感に合致します。私は国会周辺のみならず街中においても、本件に関連する“デモ”を、見たことがありませんが、通勤最寄駅前で見た三度の「戦争法案反対」ビラ配りも、全く盛り上がっていませんでした。新聞・テレビの報道に、常に違和感を持っていました。

いよいよ今日明日にも、参議院で法案は採決され、成立するでしょう。国会周辺で「締め」の集会が行われ、花火大会の終わりのように、静まると予測します。


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